夕陽が海をキラキラと輝かせていた。

　腰を下ろした僕は、黙々と、勢いよくいちごをほおばっていた。ランプベリーも、分けてもらったいちごを、シッポを振りながら器用に食べていた。
「──」　　うめぇ〜！
「──そんなに宝物が、ほしかったんか？」とおじいさん。
　口の中いっぱいのいちごを味わいつくして、ほとんどすべてを飲み込んだ僕は、ようやく口を開いた。
「このいちご、すっげえ、うまいよ。 ──こんなにおいしい、いちご、生まれて初めてかも。 ──ああ、生き返る〜！」　そう言いつつ、さらにいちごをほおばる僕。
「──。 そうか──　そんなに宝物を──」　遠くを眺めているおじいさん。
「──っていうか、どうして宝物のことを知っていたんだ？」
　口の中のいちごを味わいながら、僕は尋ねた。
「──知らん。当てずっぽうで言ってみたまでじゃ」
「── でも、“その調子じゃ宝物が見つからない”って」
「──ん？」
「じゃあ、どんな調子だと見つかるの？」
「──。 はて、どんな調子だと見つかるんじゃろうかな？」

　そうこうして、やっと、“宝の地図”を、おじいさんに打ち明けようと決めたんだ。