図書館への帰り道にて──
「アハッ。7つのワクワク枠って、本当にいろんな“ライフのあり方”を教えてくれそうよね。まだ6つまでしか知らないけれど」 彼女が明るくそう言った。 「ああ、そうだね。例えば── 今を大切にしようなどの『イマ』ライフ、 将来の夢を持とうなどの『ミライ』ライフ、 思い出を愛そうなどの『カコ』ライフとか」と僕。
「そうね。それから、 人を喜ばせようなどの『Out』ライフ、 自分が楽しもうなどの『In』ライフとか」と彼女。
「そうだね。ほかにも── 一生懸命やろうなどの『On』ライフ、 十分休もうなどの『Off』ライフとか。
健康を守ろうなどの『For』ライフ 健康を害するまいなどの『Against』ライフとか」と僕。 「それに、 人に優しくしようなどの『For』ライフとか 人に冷たくするまいなどの『Against』ライフとか ──アレ？ 最後の2つの 『Against』ライフの例も、結局は、どちらとも『For』ライフの例になっていない？」と彼女。 「──アハッ。たしかに、そうだね。“『Against』の『Against』は、『For』である”ってことなんだろうね」と僕。
「──それにしても、どうして、こうなったのかしら？ 最後の2例を含めて、私たちが挙げた例のすべてが『For』ライフの例になっているのは、なぜかしら？」 「さあ。それらが、いいなあって思うから？」 「じゃあ、どうして、いいなあって思うの？」 「──僕らが、それらを好んでいるから？」 「じゃあ、なぜ、私たちは、それらを好んでいるの？」 「──なぜだろう。こっちが聞きたいくらいさ」 その日、僕らは、さらに「7つのワクワク枠を持っていれば、書店、図書館、ネット、学校、社会… を含む、さまざまな“ライフのあり方”に出会える場で、方向音痴にならずに済むだろう」という予想にも至った。
