雪解けの季節の頃、コンパリーチェとの別れを迎えた。

　コンパリーチェの任期も３年であり、“次の年が最後の担当になる”とのことであった。

　僕の方はといえば、その後も、本が与えてくれる知恵に助けられながら、彼女の応援に励まされながら、目標実現のために、精一杯、努力する日々を重ねていた。

　そうして、高校３年に進級して迎えた初夏、

　スランプ──。

　勉強が全く手につかなくなってしまった。
　“勉強する方がよい”と頭でわかっていても──
　彼女の応援が励みになっていても──
　本に書かれた知恵が役立っていても──
　…
　このとき、どうしても“やる気”が出ず、逆に、ヘトヘト感が満ち続け──。
　今度は、“やる気や欲求も大切だよ。知恵や意志だけでは足りないよ”ってこと？
　──うん。それはわかる。それはわかるけれど──　・・・
　その“勉強のことを思い出すだけでも感じられるようになった、嫌悪感、焦燥感、不全感、無能感、絶望感、憂鬱感…が入り交じったようなイヤーな感じの程度”は半端でなくて──　おじいさんと再会したのは、そんなタイミングだった。