「フォー（『For』）と──　アゲンスト（『Against』）じゃ」　おじいさんは、そう言いながら紙の下側と上側を順番に指さした。

「フォーとアゲンスト──　英語で習ったような。パラダイム・フォー・ライフの“フォー”でもあるよね？」
「ああ、その通りじゃな。 ──。 うん、ところで──　高校生活の方はどうじゃ？　将来どうなりたいのか、どうしたいのか…　はっきり見えてきたかい？」
「いいや、見えてこない。そのせいか、勉強の方もさっぱりさ。やる気も湧かないし、中学のときよりグッと難しくなっているし…。 ──まあ、とにかくいろいろベストは尽くしてみるよ」
「──うん。そうじゃな。ベストを尽くしてみなさい。ときには全力でやってみて初めて見える何かもあるじゃろうし、若いからこそ成し遂げられる頑張りもあるじゃろう。もちろん、健康にも十分気をつけながらのぉ」
「ああ、そうだね。どうもありがとう」

　それから──

　を写真におさめてから、僕は家路へ向かった。