「──コンパース一家って異星人たちだったの！？」　彼女は、驚きながらそう言った。
「ゴホッ、ゴホッ、ゴホッ… だから、僕にもわからないよ。あくまで“もしも”の話だよ。“もしも”の──」
「ええ、“もしも”のね。“もしも”の──」　再びうなずきを繰り返す彼女。
「僕が言いたいのは、たとえ生態系社会レベルのライフという“もしも”の話においても、『Love-Loveの関係』を構築できる存在が長く存続するという結論が、やっぱり変わらないってことさ」
「──」
「なぜって、やっぱり相似だから──」
「──」
「それに、実際、僕らの関係はコンパース一家のおかげで長く存続している一面を持っているし、コンパース一家は僕らのおかげで長く存続している一面を持っている──。このことも、まさに生態系社会レベルにおいても『Love-Loveの関係』を構築できる存在が長く存続するという結論を支持していることになるのさ」
「──フフフッ♪　もしコンパース一家のルーツが本当に、ほかの天体だったとしたら、なんだか、おかしいよね？　私たち、知らぬ間に、異星人たちと『Love-Loveの関係』を築いていたことになるんですもの──」
「ああ、そうだね。あいつら、いいやつらだったし──」
「ええ、そうね」
　それから、しばらくの間、コンパース一家との思い出話に花を咲かせた僕らは──　再び、ふたりして、ぼんやりと水平線の方を眺め続けた。