「そうすると、第７フレームを簡単に説明すれば、“認識して、判断して、実現して”という流れよね？」と瑠音。
「そうさ。もちろん、もっとシンプルに、“見て、決めて、行動して”でも、“聞いて、決めて、動いて”でも、“触れて、決めて、動かして”でもいいと思うよ」と僕。
「そうすると、その具体例も、いっぱいあるわよね？」
「そう、いっぱいある。“プルプルを見て、とっさに決めて、あやす”とか、さっき挙げた心のハードルと関連した例だけでなく──
　例えば、コンパルンクルの散歩好きを知り、恥ずかしさを乗り越えてそれを日課にしようと決めて、実際にそうするとか。
　例えば、自分の体力の限界を悟り、やむを得ず君に助けを求めようと決めて、実際に電話するとか。
　例えば、生きる力が３％未満の哀れな男を助けようと決めてくれて、実際に助けるとか」
「フフッ♪　ねぇ、もしかしたら、人生は“認識して、決めて、動かして”の繰り返しである──　なんて言えたりしてね？
　──それに、トンガリ山も、何となく“決める”っぽいわ」
「アハハッ。そうだね。
　ただ──　“認識しないで”、“決めないで”、“動かさないで”という人生もありうるから、人生のすべてではないだろうけれど」
「あ、それもそうね♪」