とにもかくにも、この“第７フレームの解釈”を支持する例が、次々と見つかる一方だったんだ。

　例えば、次のような流れ──

　ＣＤや本や写真を手に取り、ここに戻そうと決め、実際に戻す。
　コンパースとコンパリーチェの両想いを知り、何かいい方法を考え出そうと決め、実際に考える。
　“きっと本屋さんに行ってみるといいよ”という瑠音さんのアドバイスを聞き、次の日曜に書店に行くことに決め、実際にそうする。
　スランプのとき、“休んだ方がいい”という岬のおじいさんのアドバイスを聞き、今は勉強を休むことに決め、実際にそうする。
　瑠音さんのウワサについて、心笑君に“よく確かめた方がいいよ”と励まされて、よく確かめようと決め、実際にそうする。
　僕の『北の国から’89帰郷』好きを知った心笑君が、『北の国から’87初恋』を僕に譲ろうと決め、実際にそうしてくれる。
『旅人』という自伝で湯川秀樹と再開し、それをヒントにして目標を定めて、実際にそこに向かって前進する。
　宝の地図を見つけ、宝探しに行こうと決め、実際にそうする。
　初夏を感じ、おじいさんに会いに行こうと決めて、実際にそうする。
　…

　もちろん、彼女も見つけた。　例えば、次のような流れ──

　小学校の担任の先生に出会い、それをヒントにして目標を定めて、実際にそこに向かって前進する。
　女子更衣室で倒れた僕を見て、急いで保健の先生に知らせようと決めて、実際に知らせる。
　アイス・オン・フルーツ・イン・ヨーグルトのアイスが溶け始めていることに気づき、えいやと食べようと決め、実際に食べる。
　自転車の荷台に座り続けているのが危なそうだと思い、荷台を下りて押そうと決めて、実際にそうする。
　感謝の気持ちをしっかり伝えなきゃと思い、帰り道で待とうと決めて、実際に待つ。
　自身の合格を知り、お守りを作ろうと決めて、実際に作る。
　僕の不合格を知り、励ましに行こうと決め、実際にそうする。
　僕の顔が近くにあることを知りながら、目を閉じようと決めて、実際に目を閉じる。
　“夕方から雨”の予報を聞いて、早めに洗濯物を取り込もうと決め、実際にそうする。
　宣伝を見聞きしたり商品を手に取ったりして、買うか買わないかを決め、実際にそうする。
　料理の味見をし、調味料を足すかどうかを決め、実際にそうする。
　…