「このFor 生態系の方向で進めば、人類という種は、周囲の種たちと『Love - Loveの関係』を構築できて、人類という種自身も、周囲の種たちも、つまりは、生態系レベルのライフも存続できるんだよ」と僕。
「でも──　そんなことが本当にできるの？
　もし人類が、周囲の種たちから恵みやフルーツを受け取りながらこのまま発展し続ければ、それだけでも、周囲の種たちにとって脅威になりうるんでしょ？　だったら、人類という種は発展しなければいいことになるでしょうし──。かといって、人類が発展しないなんて、たぶん無理でしょうし──。
　だとしたら、やっぱり──。 ──」と彼女。
「でも、人類という種が発展すること自体は、必ずしも悪くないよ。
　って言うか、むしろ発展するべきなんだよ」
「──え？」
「大事なのは、発展する際の“方向”なのさ」
「方向？」
「そう。もしその発展する際の“方向”が──　例えば、より大きく、より多く…のような“やみくもな成長の方向”、つまり、“やみくもな『On』の方向”であれば、当然、改善される必要があるよ。第一、“やみくもな『On』の方向”が、周囲の種たちにとっても自身にとっても、よいとは限らないから」
「──。　──。　──あ、そうよ！ “適切な『Off』の方向”がよいこともいろいろあるわ。
　例えば、“過剰な採取量、過剰な生産量、過剰な廃棄量、過剰な化石燃料消費量、過剰な酸素消費量、過剰な二酸化炭素放出量、過剰な人口、過剰なストレス、過剰な食べる量…”
　──。それに──　私の過剰な体重とかも？　アハハッ♪」
“そうなのかい？”というような表情をしてみせた。
“そうなのよ”という表情＆うなずきが返ってきた。
「──もし本当に体重が増えすぎているのなら、体重が減ることが健康のために大事なのは確かだよ」
「──」
「もちろん、逆に、もし体重が減りすぎているのならば、体重が増えることが健康のために大事なのも確かだけれど」
「それはない。それはない。私、ダイエットしなきゃ──」
「──まあ、この体重の話は、生産量、人口、ストレス…の話とも本質的に同じで、いずれにしても、“量的な過剰さ”や“量的な過少さ”があったり予想されたりすれば、それらの改善や予防が、自身にとっても、周囲の種たちにとっても、長い存続のために重要なのは確かだよ。
　だから、例えば、“量 For 生態系”という発展が大事になるのさ。
　ほかにも、“質 For 生態系”という発展──“発達、成熟 For 生態系”も大事だし、“分布、タイミング For 生態系”という発展──“普及、間に合い For 生態系”も大事だよ。
　つまり、“『For』の方向の発展”、発展“For 生態系”ならば、多いに達成されていいんだよ」
「発展“For 生態系”──」
「そう。例えば、人類という種のみならず、植物、動物、菌類を含む、周囲の種たちが長く存続すべく、空気、水、土についての量、質、分布、タイミングをほどよく保つ知恵や技術──
　例えば、生態系レベルのライフの一部として人類が調和し続けるために、自然エネルギーや燃料や食糧を含む、さまざまなエネルギー源についての量、質、分布、タイミングを、ほどよく保つ知恵や技術、あるいは、さまざまな人間社会レベルのライフ自身についての量、質、分布、タイミングを、ほどよく保つ知恵や工夫──　…
　こういった発展“For 生態系”ならば、『Love - Loveの関係』の構築につながっているから、なおさら歓迎される」