さらに輝きを増している海辺のキラキラ──。

　しばらくすると、瑠音が口を開いた。
「確かに、“『Against』を連鎖させないこと”は、単なる理想にすぎないかもしれないし──　ときに、心の痛みを抱え続けざるをえなかったり、ときに、はっきりとした主張のせいで議論が終わらなくなったり、ときに、イライラが判断ミスを引き起こしたり…もありうるよ。『Against』ライフを、一時的なプロセスに、なかなかできないせいで──。

　でも、もし、みんなが最初から、少しずつでも、そういう“優しさ”とか“ゆるす気持ち”とかを持ち寄って、『Against』を連鎖させないように、プチ『Against』のうちにイヤな連鎖を断ち切る努力をしていたら──　きっと──　何ていうか、 ──いいよね？」
「ああ、そうだね。
　『Against』を連鎖させないためには、はじめから、逆の『For』を連鎖させ続けていること、“優しさ”や“ゆるす気持ち”などの『For』を与え続けているのが、一番効果的なんだろうね」　・・・　「──あ！」　僕は、思わず声を上げた。
「え？　どうしたの？」
「ゆるすって、“forgive”じゃん。この“forgive”には、“与えるために”の意味だけでなく、“『For』を与える”の意味もありそうだよ」
「アハッ♪　おもしろーい♪　確かに、そうらしいわよね」
「だろだろ？」