夏休みがどんなに待ち遠しかったことだろう。何度、自分が消えてしまいたいと思っただろう。
　その後、その悲しい現実から目を背けるかのようにして、僕は勉強に燃えた。
　　僕には、これしかないんだ。
　自分で自分にそう言い聞かせた。
　でも──
　目標もあいまいで結果も伴わない勉強が、次第にばからしく、くだらなく思えてきて、気分転換であったはずのカメラの世界にのめり込んだ。


　夏休み──
　これまで見たことも聞いたこともないスポットを探し当てるべく、僕は地図とコンパスを頼りに自然の中へと出かけた。

　　──こんなところに、こんなスポットがあったのか！

　発見や感動の連続だった。

　きっかけはどうであれ、この地図とコンパスを頼りに自然の中に飛び込んだ経験は、『In　Out』のプチ・マップ作りのための、よいヒントになった。