結局、いろいろ話が聞けるかもしれないと思った僕は、再度、ペーパー・コンパスを手に持ってみた。
「ほーい♪　何か御用でございましょうか〜？♪」　回転しているコンパスの針の絵──。
「君の名前は、何？」
「わたくしの名前は、コンパースでございますぅ〜♪」
「──」　・・・　「コ、コンパース、あ、あの、その、教えてほしいんだ。岬で出会ったおじいちゃんの正体は？」
「デアッタ？──」
「ほら、いたじゃん。岬のあの場所に、ほら、ほれ、あれ、頭、輝いていた──」
「イタジャン？　カガヤイテイタ？　──わからないでございますぅ〜♪」
「──え？」　・・・　「──じゃさあ、この『カラダ　アタマ　カタチ　コトバ』のパラダイムを利用したプチ・マップの作り方には、どんなものがあるの？」
「プチ・マップの作り方は、パラダイム・オーナーのお好みでございますぅ〜♪」
「パラダイム・オーナー？」
「パラダイム記入者、および、パラダイム・ホルダーのことでございますぅ〜♪」
「──そ、そうなんだ」　　・・・　　「──ふわあぁぁ〜」　　なぜだか、大きなあくびが出た。