その新たな認識によって、秋が深まる中、コンパルンクルとの向き合い方を僕らは一変させた。

　“何が本当にコンパルンクルのためになるのか”を、さらに真剣に考えながら、コンパルンクルと接し始めた。

「オホン。“キャキャキャ！”と笑えばいいっちゃ」と僕。
「どうして？　──オレ、そんなのやーだよ！　ギャッハッハッ！」とコンパルンクル。
「ああ、いかん、いかん。“オレ”と言うのも、やめるんよ」
「どうして？」
「どうしてって、そりゃあ、女の子だから」
「おんなのこだと、 ──なぜ、“ギャッハッハッ！”や“オレ”をやめなければならないの？」
「──。えっと、つまりは──」　・・・　──なぜだ！？
「おとことか、おんなとかいうまえに、オレはコンパス・フォー・オール・ライフだぜ？　──アニキたちも、おとことか、おんなとかいうまえに、にんげんだろ？」
「そりゃ、まあ──　 まあ、だから──」
　ごもっともです。
　苦笑いしている瑠音──。

　コンパルンクルは、予想をはるかに超えて、たくましく発達しており──　結局、コンパルンクルをできるだけ瑠音の元で過ごさせることに僕らは決めた。