それから僕は、大学のノルマの合間を縫って、調べて、調べて、調べて──　学んで、学んで、学んで──　掘り下げて、掘り下げて、掘り下げて──　考えて、考えて、考え抜いたんだ。

　本屋さんの本──
　図書館の本──
　ノート──
　メモ用紙──
　…
　を活用しながら考え──
　着替えながら考え──
　食べながら考え──
　歩きながら考え──
　書きながら考え──
　湯ぶねにつかりながら考え──
　シャワーを浴びながら考え──
　ベッド上で、日中、仰向けになりながら考え──
　ベッド上で、夜中、入眠しながら考え──
　ベッド上で、起床前、朝の陽光を浴びながら考え──
　…


　クリスマスが過ぎ──
　お正月も過ぎ──
　バレンタインデーも過ぎ──
　そのまま雪解けの季節も過ぎ──

　そして、桜が咲き始める季節の、ある日曜日──
　ついに、この図のナゾが解けたと思えるほどの成果に達したんだ。

　その成果に達した、喜びというか、気持ちよさというか、達成感というか…その感動は半端じゃなかった。

　自転車を飛ばし──　真っ先に、瑠音のアパートに、たどり着いた。
「ついに、この図のナゾが解けたよ！　すっげえ、うれしい！ ハァ、ハァ…」
「ええ？　すごーい！　ねぇ、ねぇ、私にも早く答えを教えて？」
「ああ、もちろん。ハァ、ハァ…　ちょっと待ってくれ。ハァ、ハァ…　──あれえ？」　ヨロリとバランスをくずした僕は、そのまま、ひざまずいてしまった。
「大丈夫？」
「ああ、大丈夫、大丈夫！
　──自転車を飛ばしすぎちまって。アッハッハッ！」