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ザブーン、ザザザシュー …
なぜか、心の中に、夏の海の波の音が響き渡っていた。
「３ステップスって、どれも自然法則を担っていたのね」と瑠音。
「そうさ。低次の３ステップスが物理法則に近い自然法則を担っていたし、高次の３ステップスがライフ法則としての自然法則を担っていた──」と僕。
「さまざまな物質だけでなく、さまざまなライフも、自然法則のおかげで誕生できた存在だったのね」
「そうだね。“この条件ならば、こうなる”のような決まった流れは、さまざまなライフにもあって、このライフ法則としての自然法則のおかげで、さまざまなライフが誕生できたのさ。
しかも、低次レベルの３ステップスで支えられる“物理法則に近い自然法則”の生む自然が、比較的単純であり続けるのに対して、高次レベルの３ステップスで支えられる“ライフ法則としての自然法則”の生む自然──ライフ形態、個体形態、社会形態… は、どこまでも複雑多様になりうる」
「だから、ライフは、物理法則だけで説明できなくなるのね」
「そうさ。さらに、DNAや言葉などを利用するライフの場合は、自然法則を迅速に書き換えることで、新しい形、すなわち、新しいライフを迅速に誕生させることができるから、ますます、決まりきっている物理法則だけでは説明できなくなる」
「──アハッ♪
このライフにおける自然法則の書き換えの話は、高３の夏のときの海辺での『“組み合わせたり組み分けたり”が繰り返されるおかげで、あらゆる新しい存在が創造される』という話と関係あるかしら?」
「大ありだよ。DNAや言葉などを利用した自然法則の書き換えも、まさに“組み合わせたり組み分けたり”の繰り返しの例に相当しているから。
ただ、『“組み合わせたり組み分けたり”が繰り返されるおかげで、あらゆる新しい存在が創造される』という話は、ライフにおける自然法則の書き換えだけに限らず、もっと普遍的なことだよ。
例えば、決まりきっている物理法則に近い自然法則のもとで、唯一無二の地球という天体が誕生したのも、“組み合わせたり組み分けたり”の繰り返しのおかげだから。それは、太陽や月も同じ──」
「あ、そうか──」
「いずれにしても、次のことも言える。
自然法則 by３ステップスが『コトバ』の方向にあるなら、その所産、物質、ライフそのものが『カタチ』の方向にあるということも──。
つまり、『カタチ コトバ』のフレームは、より単純な物質レベル〜単純な物質レベルの物質から、生体高分子レベル〜人間社会レベルのライフまで、広く適用できるのさ」
「へぇー！」
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』
