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「人類という種は、周囲の種に脅威を与え続ければ、周囲の種を衰退させてしまうだけでなく、周囲の種から脅威を与えられ続けることによって、いずれ自身も衰退してしまうってことさ。周囲に脅威を与え続けながらの繁栄は、一時的な偽の繁栄なのさ」と僕。
「いずれ自身が衰退してしまう、偽の繁栄──」と瑠音。
「そう。 まあ、逆に言えば──
周囲の種に恵みを与え続ければ、周囲の種を長く繁栄させられるだけでなく、周囲の種から恵みを与えてもらい続けることによって、長く繁栄するってことさ。周囲に恵みを与え続けながらの反映こそが、長期的な本物の反映なのさ」
「後半の逆にとらえた方の説明は、結局、『Love - Loveの関係』が作られれば、繁栄しやすくなるってことで、やっぱり人間社会レベルの場合と似ているね？」
「そうさ。何せ、フラクタル的に相似だから──。
つまり、生態系レベルのライフを構成する各種がどれほど長く存続できるかどうかについても、まさに『Love - Loveの関係』をどれほど構築できているかが決定するんだよ」
「それは、恋愛関係や経済活動を含む人間社会レベルのライフを構成する各個人がどれほど長く存続するかどうかについて、『Love - Loveの関係』をどれほど構築できているかが決定することと同じなのね？ フラクタル的に相似だから──」
「その通りだよ。
この『Love - Loveの関係』の構築に、より成功した種が、より長く存続すること── これは、進化論の根幹である『自然選択〈Natural Selection〉』の本質の１つだと思うよ。
そもそも自然選択のヒントとなった人為選択においても、まさに、人類との『Love - Loveの関係』を構築できた種が選ばれて生き残っているわけだし── ここにあるのは、ゆるぎない自然法則の１つなのさ」
「──ええ、言われてみれば、そうよね。実際、たとえ、さまざまなハンディキャップを背負っておられても、『Love - Loveの関係』を構築することによって、大いに活躍されている方々が、たくさんいらっしゃるわけだし── 生まれたばかりの赤ちゃんが、本来とても弱い存在なのに生存し続けられるのは、その保護者と『Love - Loveの関係』を構築するからにほかならないわけだし── それは、確かに的を得た説明だと思うわ」
「そうだね」 そう同意した後、ふいに、コンパルンクルが赤ちゃんだった頃のことを思い出した。
──とても弱い！？
「──ま、コンパルンクルちゃんの赤ちゃん時代は、例外だけどね。 アハハッ♪」
「アッハッハッ！」 笑い合うふたり──。
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