ランプベリーは、いつしか昼寝を始めていた。

「──で、おじいちゃんの将来は？」　僕は、軽い気持ちで
そう口にした。
「──。　──わしゃあ、しぬだけじゃな」

「──」　　・・・
　しばし沈黙が流れた──
　かと思うと、おじいさんは再び口を開いた。
「──というのは、冗談じゃ。

　こう見えてもな、わしにも、たーんと将来の夢や目標がある。　　内容は、秘密じゃがの。アッハッハッ！」
「──」
「それに、わしには、すてきな思い出たちもある。
　それに、わしには、幸せな今もある──」　満足そうな笑みを浮かべているおじいさん。「みんな大好きじゃ。みんな──」　おじいさんはそう言いながら、座った姿勢のまま目を閉じた。 「…　 スー　 ──　 スー 　──　 スー 　──　 …」　かすかに寝息をたてているおじいさん──。 僕は、おじいさんが自然に目を覚ますまで、ぼんやりと水平線の彼方を眺めていることにした。