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夏休みがどんなに待ち遠しかっただろう。
何度、自分が消えてしまいたいと思っただろう。
その後、その悲しい現実から目を背けるかのようにして、勉強に燃えた。
自分には、これしかないんだ。
自分で自分にそう言い聞かせた。
でも──
目標もあいまいで結果も伴わない勉強が、次第にばからしく、くだらなく思えてきて、気分転換であったはずのカメラの世界にのめり込んだ。
夏休み──
これまで見たことも聞いたこともないスポットを探し当てるべく、僕は地図とコンパスを頼りに自然の中へと出かけた。
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高原に咲く名も知らない花々の、鮮やかなレモン色──
小枝をしならす木の実たちの、みずみずしいストロベリー色──
静かな水辺に憩う水鳥の、透き通った白色──
川辺にたたずむイトトンボの、宝石のような青緑色──
見上げる巨木が持つ豊かな枝のうねりの、勇ましい茶褐色──
…
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──こんなところに、こんなスポットがあったのか！
発見や感動の連続だった。
きっかけはどうであれ、この地図とコンパスを頼りに自然の中に飛び込んだ経験は、『In Out』のプチ・マップ作りのための、よいヒントになった。
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