幼名、コンパルンクル──
　　この今のペーパー・コンパスが、あいつらの赤ちゃん──
　　そんなのって、あり？
　　・・・


　“これはここ。これはあそこ… ” そんな具合に、本やＣＤ、さくらんぼ… を片付けながらそう思った。

　すると──
　プルプルプル…　　！！！

　さらに──
　フワフワフワ…　　！！！× 3

「ああー！！」
　僕は急いでコンパルンクルを手に持つと、
「よーし、よしよしよし…」　──あやした。
　どうやってあやすのかよくわからず、自己流に精一杯ゆり動かしただけだったけれど──　フワフワは、それなりにおさまってくれた。
　　──ふぅー。

　 でも──
　プルプルは十数分置きに再開した。その度に、僕は懸命にペーパー・コンパスをあやした。
　そうこうしていると──
　プルプルプル… 　 トゥルルルー♪…
　コンパルンクルの振えと電話の呼び出しが同時に始まった。
「あ！？」