進化の流れ 12──音声＆文字、そして人類の進化が加速

高度な“言葉”〈音声言語、文字、数式、図（モデル、幾何）…〉の活用 そして、人類の進化が加速

とりわけ、現生人類〈サピエンス〉は、より高度な“言葉”（音声言語＆文字、数式、図（モデル、幾何）、シンボル、マーク、建築物…）を使うに至り、進化が加速した。 　（ここでの“言葉”とは、“意味をもち、共有できるもの”という広い意味のものである。　より高度な“言葉”とは、“より抽象的で、一般的＆普遍的な言葉”とも言える） 　例えば、文字は、知恵や知識、メッセージを、世代から世代へと確実に伝えられる手段の1つとなった。 　文字の登場は──　　農耕文化（知恵、暦…）を含め、複雑多様な社会やライフスタイルの進化を大いに加速させると同時に安定させ──　 それを土台として、高度な文明や、多様な文化が育まれたと言える。 　（そういう意味で、音声言語はRNAに、文字はDNAに、うまく対応していると思われる。生命も、タンパク質ワールド→RNA活用ワールド→DNA活用ワールドと進化するほどに、その進化がグングン加速し、より安定したものとなってきている） 　※なお、文字以外にも、数式、図（モデル、幾何）、シンボル、マーク…図、建築物…　も、世代から世代へと知恵や知識、メッセージを確実に伝えられる手段であったと考えられる。 　つまり、人類の高度な文明、多様な文化、様々なライフスタイルが育ってきているのは、「高度な“言葉”」の活躍のおかげであると言える。 　その「高度な“言葉”」という土台の上で──　 農耕文化のみならず、科学（天文学、（古典）力学、電磁気学、量子力学、相対性理論…）を発達させ、産業革命、IT革命…　を達成させてきている──　それが現生人類〈サピエンス〉である、と言える。 　なお、上の図の中に、新たなレベルの3Stepsは登場していない。 　このことは、人類自身のハードウェア自体（身体的、大脳生理学的、遺伝的な側面）は、現生人類〈サピエンス〉の登場をもって、十分な発展＆成熟が、ほぼ完成していることを意味していると思われる。 　しかし、たとえその中でも、今後とも、文化的な側面、人生的な側面、人間社会的な側面は、これからも、発達＆成熟し続けていける余地があると思われる 。 　すなわち、現生人類〈サピエンス〉のソフトウェア（心、世界観…）は、まだまだ、発展＆成熟が十分に達成されてないと思われる。 　現生人類〈サピエンス〉には、様々な問題が山積しているからである。 　現生人類〈サピエンス〉のソフトウェア（心、世界観…）の発展＆成熟は、決して不可能ではない。 　なぜなら、本来、「高度な“言葉”」は、限りなく、新しく生み出したり、既存のものをよりよく書き換えたりすることが可能なものだからである。 　※実際、現生人類〈サピエンス〉は、これまで、いくどとなく、「高度な“言葉”」は、新しく生み出したり、既存のものをよりよく書き換えたりを積み重ねながら、そのソフトウェア（心、世界観…）を進化させてきた。 　コペルニクス革命、ダーウィンの進化論、ウェゲナーの大陸移動説…　などの科学革命は、その典型的な例であろう。 　ところが、実際には、現生人類〈サピエンス〉は、これまで、いくどとなく、「高度な“言葉”」の新生を拒絶したり、書き換えを拒んだりしてきたことも事実である。 　そして、まさに、だからこそ、今も、現生人類〈サピエンス〉には、様々な問題が山積し続けていると言っても過言ではないだろう。 　したがって、現生人類〈サピエンス〉は、「高度な“言葉”」は、発展を支える土台であると同時に、不健全なロックインによって、発展を阻害する土台にもなりうることに注意していかなけければならないだろう。 　今後、どのような現生人類〈サピエンス〉の進化が考えられるでろあろうか？ 　その1つは、次のような現生人類〈サピエンス〉の進化である。 　今後、現生人類〈サピエンス〉は、「生態系の社会レベル（惑星生態系の社会レベル）」を育むようになる。 　（なお、「生態系の社会レベル」自体は、ローカル生態系の社会として、すでに登場していると見なすことが可能性なので、“新たな3Steps”ではないのであった） 　地球生態系出身の人類自身が、他の惑星に、新たな生態系が育まれるのをサポートするようになる。 　それを可能にするような、十分に高度な科学技術を獲得できたのは、現生人類〈サピエンス〉が、十分に長い間、安定的に存続し続けるおかげであった。 　そして、それは同時に、その高度な科学技術の善用しかありえない（悪用は全くありえない）とう状況になるほど、現生人類〈サピエンス〉のソフトウェア（心、世界観…）──協調することを尊ぶ心、調和を尊ぶ心、違いを尊重する心、人類どうしが互いに争っている場合ではないと思う心、シナジーを育もうとする心、信頼し合う心、“For Life”の心、（“For Life”と調和する）すべての多様な生命を尊ぶ心、『Love‐Loveの関係』を育もうする心… ──がグレードアップしたおかげでもあった。 　※逆に、そうした、グレードアップがなされないままでい続ける限り、現生人類〈サピエンス〉は、様々な問題が山積し続けたまま、早々と絶滅の危機に瀕し──　 十分に高度な科学技術を身につける前に、いずれ絶滅してしまっているだろう。 　そして、こういった高度な科学技術による様々な他惑星を探究したり、新たな生態系を育んだりする営みを通じて──　 今のこの地球が、この広い宇宙において、（想像以上に）「類いまれなオアシスのような存在」であるという認識を深めることになるのかもしれない。（詳細な検討は、今後の課題である）

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