進化の流れ5──原始生物＆生態系の登場

様々な機能性高分子が、協力関係（シナジー）を構築し（自己組織化し）、膜でくくられることで、原始生物が登場した。 　 参考文献 　　自己組織化と進化の論理　スチュアート・カウフマン　日本経済新聞社 　※もし、膜でくくられていなければ、その時点で、生態系レベルが生成していたことになる。 　この原始生物は、少なくとも増殖して複数になった時点で、原始生物の社会レベルが生成したことになる。 　限られたエネルギー、材料という制限の中で、互いに影響し合わずにおれないからである。 　そして、異なる原始生物が、2種類以上生じた時点で、生態系レベルが生成したことになる。 　なぜなら、これらの原始生命は、開放系でなければ存続できないはずで、拡散する代謝（化学反応）生成物を介して、影響し合わずにおれないはずだからである。 　※厳密に見れば、100％同一の分子構成を持った原始生物は存在しえないので、増殖して複数になった時点で生態系レベルが生成したと見なすこともできるのかもしれない。詳細な検討は、今後の課題である。 　増殖することは、原始生物であることの必要条件であるので──　 機能性高分子の社会レベルの所産である原始生物の登場とほぼ同時に、原始生物の社会レベル（個体の社会レベル）、生態系レベルの3Stepsも登場したことになる。 　※なお、もし、ローカル生態系が成立し、それらが互いに影響し合っていたのならば、生態系の社会レベルが存在していたことになる。 　以下のページで示す進化の流れのすべてにおいても、理論上、同様に、生態系レベルのみならず、生態系の社会レベルが存在していることを考えることができる。 　しかも、進化が進むたびに、それまで生態系レベルに相当しうると思われていたものが、なんらかの形で（例…膜でくくられる）、生態系レベルより低いレベルに位置づけられるようになるようである。 　（そして、同時に、それまで、生態系の社会レベルに相当すると思われていたものが、生態系レベルに位置づけられるようになるようである） 　やや煩雑であったり、不明確なところがあったりするので──　 以下のページでは、便宜上、生態系の社会レベルの図示は、省いたまま進めていくこととする。

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